サクサクの口あたりで口の中でホロっと溶けていくタルト。タルトといえば、いちごのタルトやチーズのタルト、オレンジのタルトなど、数えきれないほどの種類の多さです。
そんなタルトは外国の家庭では気軽に作られているお菓子なのですが、型にうまく敷けなかったり、焼き縮んできれいな形にならなかったり…。「もうやめちゃおう」って思った方、きっといらっしゃると思います。
そんな悩みを解決する、失敗しにくく、扱いやすい配合と手順になってます。
ぜひ一度試してみてください!
【Q&A】
ポイントさえつかめば、タルト生地は難しくありません。
よくある質問をまとめました。参考にしていただければと思います。
〈Q.サクサクとしたタルト生地になりません〉
A.水が多すぎる、手の熱や部屋の温度が高くて生地がベタベタになった、オーブンの温度が低すぎる、など幾つかの原因が考えられます。
また、タルト生地には粉糖を使うことも大切。粉糖にはコーンスターチが入っているので、さっくりと仕上がります。グラニュー糖だけは絶対にやめましょう。グラニュー糖の粒が残ってガリガリすることがあります。
〈Q.タルト生地を伸ばしているときにプチプチ切れてしまいます。〉
A.生地をめん棒で伸ばしているときや生地を持ち上げて型に敷き込むときなどに切れることがあります。これは、生地がかたすぎるとき、またはやわらかすぎるときに起こります。かたいときは室温に少しおき、やわらかいときは冷蔵庫に入れて少し冷やしてから伸ばしましょう。
〈Q.焼き上がったタルト生地の側面がずり落ちてしまいました〉
砂糖やバターの量が多い、生地がやわらかすぎたなどが原因として考えられます。指定の分量を必ず守り、生地を型に敷いたあとは冷蔵庫でしっかりと休ませてください。一晩休ませてもいいくらいです。休ませることによって生地の焼き縮みを防ぎます。
【チョコレートタルト生地】
クッキーのようなサクサクのタルト生地は、粉糖を使って軽い仕上がりにしています。
〈材料〉1単位分
無塩バター…60g
粉糖…30g
卵黄(L)…1個分
水…大さじ1
薄力粉…85g
ココア…15g
※この分量は直径18㎝のタルト型で少し余るくらい、21㎝でちょうどぴったりの分量です。21㎝で作る場合、慣れないうちは、材料を2倍にして作った方がやりやすいでしょう。
〈下準備〉
・バターを常温に戻す
・薄力粉とココアを合わせてふるう
〈作り方〉
①常温に戻しておいたバターを泡立て器でやわらかくなるまで練り、粉糖を2~3回に分けて加え、その都度よく混ぜる。
②卵黄と水を順に加え、よく混ぜる。
③薄力粉とココアをもう一度ふるいながら加え、ゴムべらでしっとりとするまで混ぜる。完全にまとまらない程度でよい。
④生地をラップに移して包み、ラップの上から手で少しもんで生地をなじませる。冷蔵庫で30~40分休ませる。
⑤生地を取り出し、打ち粉〈薄力粉〉をたっぷりとふったのし板の上において手で生地を叩くようにして広げる。
⑥めん棒を転がし、型よりひと回り大きく、厚さ3~4㎜に伸ばす。
※生地を伸ばすときは、めん棒で表面を軽く転がすようにします。生地がかたいときは、無理して伸ばさず、少し室温においてから伸ばします。
⑦生地をめん棒で巻き取り、型の上にふんわりとのせる。
⑧型に生地を軽くなじませたら、型の上でめん棒を転がし、余分な生地を切り落とす。
⑨指先で型に機序をしっかりと押しつける。側面は焼き縮むので、型の縁より生地が少し上に出るくらいに持ち上げてもよい。
⑩フォークで空気穴をあけ、ラップをして冷蔵庫で1時間以上休ませる。すぐに焼くと焼き縮むので、必ず休ませること!
⑪200℃に温めたオーブンで20分焼く。途中で生地が持ち上がってきたら、竹串を刺して空気を抜くと平らになる。重石は特に必要ありません。
⑫軽いから焼の完成。フィリングを詰めてから再び焼くような場合はこの焼き加減で。
※空焼きの時間は、直径18㎝と21㎝のタルト型では、ほぼ同じです。
〈フードプロセッサーで作る場合〉
フードプロセッサーを使うと、タルト生地も楽に作ることができます。バターを室温に戻したり、粉をふるう必要はありません。
①バター、粉糖、薄力粉、ココアをフードプロセッサーに入れて約30秒かけ、バターが 細かくなったら卵黄と水を加える。
②さらに30秒~1分かけて出来上がり。ラップで包み、④以降と同様に作る。
〈保存方法〉
生地をラップで包み、ビニール袋に入れて冷蔵で1週間、冷凍で1カ月くらいもちます。解凍は自然解凍で。型に生地を敷いたまま冷凍もできます。また、空焼きしたものを冷凍してもOK。その場合は自然解凍ですが、フィリングを詰めてもう一度焼きます。
【ダブルチョコレートタルト】
タルト生地もチョコレート、フィリングもチョコレートでダブルのおいしさ。ココアをふってシックに仕上げて。
〈材料と焼き時間〉タルト型各1個分
型の直径 | 18㎝ | 21㎝ |
チョコレートタルト生地 | 1単位分 | 1単位分 |
スイートチョコレート | 40g | 60g |
無塩バター | 20g | 30g |
卵黄 | L1個分 | L1½個 |
アーモンド粉 | 30g | 45g |
卵白 | L1個分 | L1½個 |
粉糖 | 30g | 40g |
ココア | 適宜 | 適宜 |
シナモンスティック | 適宜 | 適宜 |
焼き時間(180℃で) | 20~30分 | 30~35分 |
〈作り方〉
①チョコレートタルト生地は焼き上がったら、冷ましておく。
②フィリングを作る。チョコレートを細かく刻み、バターと合わせてボウルに入れ、ゴムべらで混ぜながら湯せんにかけて溶かす。
③少し冷めたら、溶きほぐした卵黄を加える。
④アーモンド粉をふいながら加える。
⑤別のボウルに卵白を入れ、8分立てにする。粉糖を加え、さらに泡立ててかたいメレンゲにする。
⑥メレンゲを3回に分けて④に加え、ゴムべらでさっくりと混ぜる。
⑦①のタルト生地に⑥を流し入れ、180℃に温めたオーブンで指定の時間、表面が乾いた感じになるまで焼く。
⑧粗熱が取れたら、茶こしでココアをたっぷりふり、割ったシナモンスティックを飾る。
【まとめ】
いかがだったでしょうか。
今回はちょっとハードルが高め(?)ですが、チョコレート好きにおすすめのタルトのご紹介でした。
少し手間はかかりますが、材料を次々と混ぜていくだけの簡単な生地なので、だれでも失敗なく作れると思います。
ぜひ、ご家庭で手作りタルトに挑戦してみてください!